交通事故における示談と訴訟について
交通事故における示談と訴訟について
1 示談交渉と訴訟提起
請求金額が高額になる場合、示談交渉ではなく、訴訟で解決する
ほうが適切です。
訴訟外の示談では、通常、弁護士費用と遅延損害金が認められない
のに対し、訴訟(判決)ではこれらが認められるからです。
弁護士費用と遅延損害金について、判決において認められる金額は
次のとおりです。
(1) 弁護士費用
損害額の概ね10%
(弁護士に対し実際に支払う金額ではありません)
(2) 遅延損害金
交通事故発生日の翌日から起算し、支払い済みまで年5%(民法404条)
ただし、訴訟で解決する場合、次のようなデメリットもあります。
- (1) 解決まで時間を要する(最短で半年程度)。
- (2) 弁護士費用も、示談交渉等より高額になる。
- (3) 弁護士と入念な打ち合わせをするため、何度も弁護士事務所に行く必要がある。
- (4) 本人尋問を行う場合には裁判所に出頭する必要がある。
これらの事情を考慮し、訴訟を提起するかどうかを判断することになります。
当事務所の個人的な見解としては、請求金額が2000万円に満たない場合には、示談交渉等、訴訟外で解決する方が適切と考えます。また、請求金額は3000万円を越えるような場合には、訴訟で解決するほうが適切と考えます。
訴訟外の解決又は訴訟提起のいずれかを選択するべきかについては、弁護士から依頼者の方に考慮すべき要素を十分説明し理解していただいたうえで、最終的に依頼者の方に決めていただいています。
2 訴訟提起する場合の費用
(1) 印紙代
訴訟提起する場合、訴状に印紙を貼付する必要があります。印紙代は訴額によって決まります。
訴状に貼付する印紙代(抜粋)
訴額(〜まで)(万円) | (円) |
---|---|
500 | 30,000 |
1,000 | 50,000 |
1,500 | 65,000 |
2,000 | 80,000 |
3,000 | 110,000 |
4,000 | 140,000 |
5,000 | 170,000 |
6,000 | 200,000 |
7,000 | 230,000 |
8,000 | 260,000 |
9,000 | 290,000 |
10,000 | 320,000 |
(2) 予納郵券
裁判所が被告に対し訴状等を郵送するための郵券(切手)を予め裁判所に納める必要があります。東京地方裁判所では、被告が1名の場合、予納郵券を6000円としています。
(3) 弁護士費用
弁護士費用は弁護士によって、また事案によって異なります。 (弁護士費用についてはこちら)
(4) 諸実費
弁護士が裁判所へ出頭するための交通費、送料、コピー代等です。
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