上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害 / 橈骨・尺骨骨折 の解決事例

3 12級6号 保険会社が賠償を拒否、最終的に相手方過失割合100%で示談解決

上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害橈骨・尺骨骨折

後遺障害等級後遺障害別等級12級~13級6号 :上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害 / 橈骨・尺骨骨折 、60代男性、会社員

ひじ可動域制限
相手方保険会社が賠償を拒否していましたが、最終的に相手方過失割合100%で解決することができました。

  740
万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

相談内容

青信号で交差点に進入した二輪車の被害者が、赤信号無視で交差点に進入した加害四輪車に衝突された事故です。

加害者は赤信号無視を否認し、相手方保険会社が一切の賠償を拒否。
最終的に、相手方過失割合100%で解決しました。

 

加害者は赤信号無視を否認し、逆に被害者が赤信号無視と主張

この事故により上肢を骨折してギプスで固定し、仕事もできなくなった被害者に対し、相手方保険会社は

「そちらが黄信号で交差点に入ったと自分の契約者は証言している。そちらが赤信号無視なので、こちらに過失はない。したがって、治療費や休業損害等について一切支払わない。」

と言いました。

実際、被害者(二輪車)は、信号が青色に変わったので交差点に入ったところ、左から来た赤信号無視の四輪車に衝突されたのです。
しかし、目撃者は見つからず、万事休すと思われました。治療費や休業損害を全く支払ってもらえないのです。

まずは、治療費の支払いを何とかしなければなりません。幸い通勤中の事故であっため、労災が適用できます。勤務先の協力を得て、治療費は労災対応としました。

また、当面の生活費確保のため、自賠責に対し仮渡金を請求し、自賠責から仮渡金20万円を受領しました。これで、直近の生活費を確保しました。

ただし、工場勤務の被害者は、就労することができません。今後の生活費確保のため、労災の休業補償の手続も進めました。

目撃者の発見

事故から数ヶ月経過して、警察から目撃者を発見したとの連絡を受けました。

私から目撃者に対し電話連絡し、「加害者は、こちらが信号無視と言っていて、治療費等が支払われずに困っている」と申し上げたところ、

目撃者の方は、「信号無視は四輪車の加害者のほうだ。Aさん(被害者)は青信号で交差点に入ったのを私は見た。そのような嘘を言う加害者は許されるべきではない。もし裁判になったら証言するので、いつでも連絡下さい。」とおしゃっていただきました。

それでも相手方保険会社は一切の賠償を拒否

 私は、目撃者が存在すること、警察も目撃者の証言をもとに再捜査する意向であることを相手方保険会社に伝え、賠償に応じるよう要請しました。

しかし、それでも相手方保険会社は賠償を拒否しました。

相手方保険会社は、目撃者の証言があるにもかかわらず、従前どおり、加害者の虚偽の主張を鵜呑みにして赤信号無視はしていないと主張し続けたのです。

加害者に有罪の判決

 「被告人は、…普通自動車を運転し、…信号表示が赤色の灯火信号に変化したのを看過したまま同交差点内に進入した過失により、…(被害者の)二輪車に自車を衝突させて…、よって同人に頭部打撲、右尺骨骨折の傷害を負わせたものである。」

これは、目撃者の証言に基づき警察が再捜査を行い、起訴された加害者に対する刑事裁判の判決です。

加害者が赤信号を無視したことが、刑事裁判で認定されたのです。

私は、刑事裁判の判決を相手方保険会社に送り、賠償請求しました。

これまで、一切の賠償を拒否し続けてきた相手方保険会社も、刑事裁判で赤信号無視が認定されたことから、ようやく加害者が赤信号を無視したことを認めたのです。  この時点から、約2ヶ月程度の任意交渉で、裁判基準かつ相手方過失割合100%で解決に至りました。

示談内容

   

受任前保険会社提示額    賠償拒否 0円
             
解決額          受領総額 約740万円 (740万円の増額)

内訳(抜粋)

後遺障害逸失利益  0円   →  約370円 

通院慰謝料   0円   →   約80万円

後遺障害慰謝料  0円   →   約290万円(裁判基準)   

相談から解決までの期間

約1年7ヶ月(任意交渉による解決)

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

目撃者が現れた後も、相手方保険会社は加害者の虚偽の主張を鵜呑みにし続け、被害者救済が非常に遅れました。

このような理不尽な対応が今後なくなることを願ってやみません。

 

解決事例 関連記事

橈骨・尺骨骨折 事例一覧