交通事故の損害賠償における「請求権」って何?【コラム】
交通事故が発生した場合、人身損害、物件損害といった損失(損害、被害)が発生します。
その場合、被害者は「損害賠償」という形で自身がこうむった損失(損害、被害)の賠償(補償)を加害者(加害者が加入する自賠責保険や任意保険)に対して求めることが出来ます。
この交通事故における損失(損害、被害)を、加害者に対して請求する権利を「損害賠償請求権」と呼びますが、実際にこれを使うという場合には、事前に知っておきたいポイントが幾つかあります。
まず知っておきたいポイントとなるのが「損害賠償請求権は誰が持つのか」ということです。
これは基本的に交通事故による損失(損害、被害)をこうむった被害者本人が持つものです。
つまり、車両と接触したことによって被害者が負傷したというような場合、請求の権利を持つのは被害者本人と言うことになります。
では、事故によって被害者が既に死亡しているという場合にはどうなるのでしょうか。
一見すると配偶者や親権者に権利が移動するように考えられますが、実際にはしっかりとした仕組みがあります。
まず、基本的に「請求する権利は被害者のものである」ということはここでも変わりませんが、請求する権利を持つ被害者は既に故人になっていますから、請求を行うことは出来ません。
ではどうなるのかというと、このまだ使用されていない権利については「被害者が持つ財産」として考えられることとなります。
そして、その財産は相続の対象として扱われるため、相続人に権利が相続されることとなるのです。
民法では、誰が、どれだけの遺産を相続できるのかを以下のように定めています。
被相続人の配偶者は常に相続人になります。
配偶者と同順位で、①子②直系尊属③兄弟姉妹の順で、相続人になります。
被相続人の子が死亡していたときには、孫が子を代襲して相続します。
兄弟姉妹が以前に死亡していたときも兄弟姉妹の子が兄弟姉妹を代襲します。
死亡事故は発生しないに越したことはありませんが、万が一発生してしまった場合、これを知っているかどうかでその後の請求のスムーズさが大きく変わってきますので注意が必要です。
次にチェックしておきたいポイントとなるのが「請求権の時効」です。
交通事故が発生し、治療をする必要がある場合などはその治療が完了するまでは損害額(被害額)を確定させることが出来ません。
そのため損害賠償請求も遅れがちになるのですが、この損害賠償を請求できる権利には時効が存在しています。
ではその時効はどうなっているのかというと、「損害および加害者を知ったときから3年」と規定されています。
物損・傷害・死亡などの事故の場合は事故日・死亡日の翌日から起算して3年というのが基本です。
ただし、後遺症(後遺障害)が残る場合は、症状固定の日の翌日から起算して3年とされています。
症状固定とは、医学上一般に認められた医療(基本的に実験段階や研究過程にあるような治療方法は含まれません。)を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいいます。
症状固定の時期を判断するのは、保険会社ではなく、医師(主治医)の判断です。
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