22 第12級13号 神経症状を残した女性の主婦について裁判基準で解決した事案
後遺障害等級後遺障害別等級12級~13級13号 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 、50代女性、主婦
神経症状
第12級13号の神経症状を残した女性の主婦の方について、休業損害、傷害慰謝料、後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料のいずれも裁判基準で解決することができました。


保険会社提示額 | 310 万円 |
増加額 | 580 万円 |
相談内容
幣事務所にご来所された被害者の方です。
○○地方の相談会に来られた被害者の方です。
ご相談を受けた際、被害者の方は、事前認定手続中でした。被害者の方の後遺障害診断書等を確認したところ、後遺障害が認定される可能性が高いことから、今後の見通し等をご説明しました。
その後、被害者の方から、後遺障害として第12級13号が認定され、保険会社から賠償金の提示を受けている旨のご連絡を頂き、裁判基準にて解決すべく、賠償請求に着手しました。。
賠償交渉
受任前の保険会社の提示は、休業損害について自賠責保険基準にて算出されていた他、傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料のいずれも任意保険会社基準にて算出されていました。
特に、逸失利益のうち労働能力喪失期間は、わずか3年にて算出されていました。
そこで、受任後、裁判基準に基づく請求額を確定させて、保険会社に対し賠償請求しました。
しかし、受任後の保険会社の提示も、休業損害について自賠責保険基準にて算出されていた他、逸失利益のうち労働能力喪失期間も4年にて算出されていました。
その後も、賠償交渉を継続したものの、保険会社が裁判基準での賠償に応じなかったため、交通事故紛争処理センターへ申立てをすることとしました。
その結果、【示談の内容】のとおり、
休業損害、傷害慰謝料、後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料のいずれについても、裁判基準にて解決することができました。
第12級13号の労働能力喪失期間
労働能力喪失期間とは、症状固定以降、後遺障害により、どの程度の期間労働に支障が生じるのかを示すものです。
この点、「赤い本」においては、労働能力喪失期間は、原則として、就労可能年齢の終期である67歳までとされています。
例えば、症状固定時に30歳の場合の労働能力喪失期間は37年、症状固定時40歳の場合の労働能力喪失期間は27年となります(なお、労働能力喪失期間と平均余命の2分の1のいずれか長い方を基準とすることに注意が必要です)。
では、第12級13号の場合の労働能力喪失期間は、どのように考えれば良いのでしょうか。
赤い本の原則によれば、67歳までの労働能力喪失期間が認められるべきとも考えられます。
しかし、裁判実務上、神経症状の場合には、徐々に症状に慣れていくと考えられているため、労働能力喪失期間は控えめに算出される傾向にあります。
そのため、第12級13号の神経症状の場合には、労働能力喪失期間は、10年程度に制限されることが多いです。これは、交通事故紛争処理センターにおいても、同様の扱いです。
なお、赤い本は、頚椎捻挫を前提としているようにも読めますが、同じく神経症状である腰椎捻挫についても、頚椎捻挫と同様に扱われていると考えられます。
立証ポイント
1.休業損害 被害者の方の陳述書を提出し、家事労働への具体的な支障を主張。
2.傷害慰謝料 裁判基準(赤い本基準の別表Ⅰ)に基づき、傷害慰謝料を請求。
3.後遺症逸失利益 被害者の方の陳述書を提出し、家事労働への具体的な支障を主張。
4.後遺症慰謝料 裁判基準(赤い本基準)に基づき、第12級の290万円を請求。
示談内容
当初保険会社提示額 受領総額 約310万円
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解決額 受領総額 約890万円 (580万円の増額)
内訳(抜粋)
休業損害 約80万円 → 約130万円
入通院慰謝料 約60万円 → 約140万円
後遺障害逸失利益 約130万円 → 約380万円
後遺障害慰謝料 約100万円 → 290万円
相談から解決までの期間
約2ヶ月(交通事故紛争処理センターによる解決)


本件は、受任から解決まで約2ヵ月ということで、迅速に解決することができたと思います。
被害者の方が保険会社と交渉して裁判基準での解決をすることは、現状では残念ながら大変難しく、賠償交渉が長期化してしまうことも珍しくありません。
もし、賠償交渉でお困りの場合には、裁判基準での解決を実現するためにも、ぜひ弊事務所までご相談ください。