54 頚椎捻挫、腰椎捻挫等を受傷した20代男性会社員について、事故から症状固定まで約1年の休業期間の相当性が認められた事案
後遺障害等級後遺障害別等級14級9号 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 、20代男性、会社員
神経症状
頚椎捻挫、腰椎捻挫等を受傷した20代男性会社員について、事故から症状固定まで約1年の休業期間の相当性が認められた事案です。
保険会社提示額 | - 万円 |
増加額 | - 万円 |
交通事故状況
停止中に後続車に追突され、被害者の方は、頚椎捻挫、腰椎捻挫等の傷害を負いました。
ご依頼者のご要望
被害者の方は、第14級9号の後遺障害が認定されており、適切な賠償額を受領したいとのご希望を有しておられました。
受任から解決まで
受任後、裁判基準にて賠償額を積算して保険会社と交渉を開始し、任意交渉にて解決しました。
示談交渉
保険会社は、当初、傷害慰謝料・後遺障害慰謝料は裁判基準の80%、労働能力喪失期間は3年と主張し、既払金のほか約210万円を支払うと提示しました。
その上で、保険会社は、被害者の方は事故から症状固定まで約1年休業しており、休業期間の相当性を争う意向を有していると主張しました。
その後、賠償交渉を継続し、傷害慰謝料・後遺障害慰謝料は裁判基準満額、労働能力喪失期間は5年に増額しました。
また、休業損害についても、事故から症状固定まで約1年の休業期間の相当性を認定してもらいました。その結果、保険会社の当初提示額約210万円から、最終受領額約260万円に増額しました。
受任前提示金額、解決金額
受任前提示なし、最終受領額約260万円。
休業損害
休業損害とは、被害者が交通事故により受けた傷害の症状が固定するまでの間に、傷害や療養のため休業し、または十分に稼働できなかったことから生ずる収入の喪失のことを言います。
この点、休業損害の算出に当たっては、休業の事実さえあれば、無条件で休業損害が認定されるわけではありません。
実務においては、休業期間が長期化した場合には、休業期間の相当性が争点となることは少なくありません。
例えば、会社員の被害者の方が、事故により頚椎捻挫の傷害を受傷し、事故から3ヵ月が経過しても症状が生じているとして仕事を欠勤していたとしても、保険会社から休業損害を受領できない場合等があります。
休業期間の相当性を判断するに当たっては、個別具体的な事案に応じて、傷害の内容・程度、治療内容、職務の内容等を考慮する必要があります。
保険会社は、傷害の内容が頚椎捻挫、腰椎捻挫等の場合には、多くの場合、2~3ヵ月程度で休業損害を打切ることが多いように思われます。
今回のケースでは、被害者の方は、事故から症状固定まで約1年休業をしていたものの、事故の程度や職務の内容等を考慮することで、比較的長期の休業期間を認定してもらうことができました。
もし、事故後に復職できていないものの、休業損害を打切られてしまったという方がおられましたら、一度、弁護士にご相談下さい。
約1年という休業期間の相当性が認定されました。