53 受任前の保険会社提示額の約120万円から最終受領額約310万円に増額した事案
後遺障害等級併合後遺障害別等級14級 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 、30代男性、事業所得者
神経症状
頚部及び腰部受傷後の疼痛等について後遺障害非該当から異議申立てが認められ併合第14級が認定された事案です。
保険会社提示額 | 120 万円 |
増加額 | 190 万円 |
交通事故状況
停止中に後続車に追突され、被害者の方は、頚椎捻挫、腰部挫傷等の傷害を負いました。
ご依頼者のご要望
被害者の方は、第14級9号の後遺障害が認定され、保険会社から賠償金の提示を受けていました。
しかし、保険会社が提示した金額は裁判基準ではなかったため、適切な賠償金額を受領したいとのご希望を有しておりました。
受任から解決まで
受任後、裁判基準にて賠償金額を積算して保険会社と賠償交渉を開始し、任意交渉にて解決しました。
示談交渉
保険会社は、受任前、争点となった項目について、休業損害約30万円、傷害慰謝料約90万円、後遺障害(逸失利益と後遺障害慰謝料を合計した金額)75万円として、既払金を除いて約120万円を支払うと提示していました。
その後、当事務所にて受任後、賠償交渉を開始し、休業損害70万円、傷害慰謝料約110万円(裁判基準満額)、逸失利益約90万円(裁判基準満額)、後遺障害慰謝料110万円(裁判基準満額)に増額しました。
その結果、受任前の保険会社提示額の約120万円から、最終受領額約310万円に増額しました。
受任前提示金額、解決金額
受任前提示約120万円、最終受領額約310万円。
休業損害
休業損害とは、被害者が交通事故により受けた傷害の症状が固定するまでの間に、傷害や療養のため休業し、または十分に稼働できなかったことから生ずる収入の喪失のことを言います。
赤い本によれば、事業所得者の休業損害について、「現実の収入減があった場合に認められる。」とされています。今回のケースでは、被害者の方は、事故後に減収がありませんでした。
では、赤い本の基準からすると、今回のケースでは休業損害は認められないのでしょうか。この点、今回のケースでは、保険会社が「みなし休業日数」を用いて休業損害を提示していました。
そこで、当事務所にて受任後、被害者の方は、事故で受傷した傷害により腰痛等が生じており、現に職務に支障は生じていたものの、被害者の方の努力により支障の程度を最小化していた等の事情を主張しました。
その結果、保険会社が受任前に提示していた約30万円から、70万円に増額することができました。
事業所得者の休業損害については、この他にも、税務申告をしていない場合に基礎収入をどう認定するか、固定費をどう扱うか等の問題もあります。
もしご不明な点がございましたら、弁護士にご相談下さい。
事業所得者の休業損害について、事故後に減収がなかったものの、70万円の賠償を受けることができました。