18 一括対応打ち切り後の治療費30万円も損害として示談解決
後遺障害等級併合後遺障害別等級14級 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 、40代男性、会社員
むち打ち(頸椎捻挫)、腰の神経症状(腰椎捻挫)
保険会社から治療費の支払いを打ち切られ、その後に支払った治療費約30万円についても、賠償を受けることができた事案です。
しかし、最終的に休業損害60万円にて解決することができました。
保険会社提示額 | 190 万円 |
増加額 | 40 万円 |
相談内容
ご相談に来られた際、被害者の方は治療中だったのですが、保険会社から一括対応を打ち切られ、自費で通院していました。
被害者の方から正式に受任したのち、私たちが後遺障害認定手続きを代理、被害者請求により後遺障害の申請をし、併合第14級が認定されため、賠償請求に着手しました。
一括対応とは
受任後、被害者の方は引き続き自費で通院を継続し、症状固定後に被害者請求にて後遺障害の申請をしました。
後遺障害の申請後、併合第14級が認定されたことを受け、裁判基準に基づく請求額を確定させて、保険会社に対し賠償請求しました。
交通事故の場合、通常、被害者の方の治療費は、保険会社が病院に対して直接に支払いを行っています。これを一括対応と呼んでいます。
そのため、被害者の方は、病院で治療費を支払う必要はありません。
しかし、一括対応は、あくまで保険会社が任意で行っているもので、義務ではありません。
そのため、ケースによっては、被害者の方がまだ重い症状を訴えているにもかかわらず、一方的に一括対応を解除してしまうこともあります(いわゆる治療費の打切りです)。
一括対応の解除(打ち切り後)はどうすれば?
症状が残っているにもかかわらず、今回のケースのように、保険会社から治療費を打切られてしまった場合にはどのようにすればよいでしょうか?
この場合には、治療費をできる限り抑えるため、ご自身の健康保険で通院されることが良いと思います(自由診療の場合と比較して、治療費の単価が低いためです)。
病院によっては「交通事故の場合は健康保険を使えません」という説明をされる場合がありますが、交通事故の場合でも健康保険を使うことはできます。
そして、後遺障害が認定された場合には、自費通院分の治療費の賠償を受けることができる可能性もありますので、領収証も保管しておく必要があります。
なお、頚椎捻挫や腰椎捻挫の場合には、事故後6ヵ月以上経過した時点で後遺障害の申請が可能となりますので、治療費の打切り後、少なくとも事故から6ヵ月を経過するまでは自費での通院が必要となります。
今回のケースでは、自費で通院した分の治療費が約30万円とやや高額だったものの、交渉を続けた結果、賠償を受けることができました。
示談内容
受任後保険会社提示額 190万円
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解決額 受領総額 約230万円
【内訳(抜粋)】
傷害慰謝料 約100万円(受任後)→約105万円(解決額)
後遺障害慰謝料 約94万円(受任後)→約110万円(解決額)
相談から解決までの期間
約1年1ヶ月(後遺障害申請から示談まで)
「保険会社から治療費の打切りの連絡があって困っています…」というような事情がある場合、弁護士が被害者の方に代わって一括対応期間を延長してもらうよう交渉することもできますので、ぜひ一度弁護士にご相談されることが良いと思います(弊事務所は初回相談は無料です)。