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交通事故の加害者の責任範囲(過失割合)について【コラム】

示談交渉過失割合について

私たちの日常生活において欠かすことのできない便利な足と言っても過言ではない自動車。

通勤に通学、日常生活での買い物や趣味にレジャーなど、あらゆるケースにおいて私たちは自動車の恩恵を受けています。

自動車が無くなってしまうと困る、という人は世の中に大勢いるでしょう。

ビジネス・プライベートを問わず、私たちの生活に密接に関係している自動車は、現代人にとって必要不可欠なものとなっているのです。

そんな便利な自動車ではありますが、交通事故というリスクは常につきまといます。

注意して運転することである程度防ぐことはできますが、ご自身の注意だけではどうしようもないケースも存在するので、もしもの場合に備えて保険には加入しておきたいですね。

過失割合(加害者被害者の責任の割合)は、交通事故時の状況から、より過失のあった方の側の割合が大きくなります。

したがって、ご自身に全く過失がなく起こった事故の場合は、相手に10割の過失割合があることとなり、ご自身が損害賠償をする必要はありません。

例えば、駐車場にきちんと止められていた自分の車に、相手の運転ミスにより、自動車同士が接触してしまった場合などは、自分に過失はないこととなります。

この過失割合(加害者被害者の責任の割合)については、ある程度類型化されています。

「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」や「損害賠償算定基準」という本には、過失割合についての考え方(事故発生状況や運転動向から過失は何割という類型例)が掲載されています。

裁判や調停、交通事故紛争処理センターで話し合いが行われるときには、原則として、この「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」や「損害賠償算定基準」という書籍に記載されている過失割合を基準として議論することになります。

例えば、直進したバイクと右折しようとした自動車との交通事故の場合、「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」【175】により、基本過失割合はバイク15%、自動車85%となります。

この過失割合をベースとして、自動車に徐行があったか、ウィンカーを出していたか、バイクに速度超過があったか等々の修正要素を加え、最終的な過失割合が決定されます。

裁判など争いとなるのは、この修正要素の事実の有無がほとんどです。
目撃者がいたり、ドライブレコーダーに記録があったりすれば大きな争いとはなりませんが、目撃者がいることなどはそう多くはないので、この事実の有無について争いとなることが多いのです。

裁判では、事故発生状況や運転動向は、実況見分調書、交通事故現場見取り図、当事者の供述調書などの証拠から認定されます。
また、多くの方は、この「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」や「損害賠償算定基準」という書籍の存在を知らないため、弁護士がついていない被害者と加害者側の保険会社との話し合いの場では、保険会社が被害者側の過失割合が大きいと主張してくる傾向があるので、注意が必要です。

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