肋骨骨折 / 臓器・循環器の障害 / 鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害 の解決事例

67 肺挫傷の傷害を負った被害者について、高度の呼吸困難が残存するものとして第7級5号が認定され、神経症状として第12級13号が認定されたことと併せて、併合第6級が認定

肋骨骨折臓器・循環器の障害鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害

後遺障害等級併合6級 :肋骨骨折 / 臓器・循環器の障害 / 鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害 、70代男性、会社員

①呼吸器の障害につき第7級5号、②神経症状につき第12級13号
肺挫傷の傷害を負った被害者について、高度の呼吸困難が残存するものとして第7級5号が認定
され、神経症状として第12級13号が認定されたことと併せて、併合第6級が認定された事案です。

  1,520
万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

交通事故状況

被害者は、原動機付自転車を運転し、信号機により交通整理の行われていない交差点を直進進行中、左方より同交差点内に直進進行してきた四輪車に衝突され、外傷性硬膜下血腫、胸部大動脈損傷、肺挫傷及び多発肋骨骨折の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

被害者は、治療中にご相談に来られ、後遺障害が適切に認定されること等をご希望されておりました。

受任から解決まで

当事務所にて受任後、被害者と共に病院に同行し、呼吸器の障害等を立証するため、各検査の実施を依頼する等のサポートを実施しました。
そして、当事務所にて、被害者請求にて後遺障害の申請をした結果、肺挫傷による呼吸器の障害について第7級5号、外傷性硬膜下血腫による神経症状について第12級13号、両者を併せて併合第6級に認定されました。

その後、裁判基準により損害額を積算し、保険会社との間で賠償交渉を開始し、任意交渉にて、最終受領額約1520万円として解決に至りました(本件事故の基本過失割合は、被害者35%、加害者65%であり、大幅な過失相殺がなされています)。

呼吸器の障害

胸腹部臓器の障害は、呼吸器、循環器、腹部臓器、泌尿器、生殖器に分かれています。
複数の臓器に障害が残存した場合には、同一系列の障害として、併合の方法によって胸腹部臓器系列の障害等級が判断されます。

もっとも、複数の臓器に障害を残存させ、これらの各障害が複合的に作用することで介護が必要な程度に重度の障害を残存させた場合のように、併合の方法による等級認定が、「常時介護」「随時介護」という自賠法施行令の総合評価規定の内容と比較して明らかに下回る場合には、介護の程度及び労務への程度を総合的に判断して障害等級が判断されます。

さて、今回のケースで問題となった呼吸器の障害は、

①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による判定

②スパイロメトリーの結果及び呼吸困難の程度による判定

③運動負荷試験の結果による判定

がありますが、このうち、①と②の結果を比較して②の数値が高い場合には②の結果で障害等級を判断し、①と②の数値では後遺障害の基準に該当しない場合でも、③の基準を満たせば後遺障害として認定されます。

今回のケースでは、被害者がスパイロメトリーを実施した結果、%肺活量は、51.9%でした。

%肺活量とは、「%肺活量=肺活量実測値/肺活量予測値×100」にて算出されるもので、拘束性換気機能障害(肺の弾性の減弱等により、換気量が減少することを言います。)の指標です。

また、主治医より、呼吸困難の程度について、「一回の歩行距離は、歩行器では150m、杖では50mで息切れし、呼吸困難の状態になる。」等の所見を取り付けました。

その結果、被害者の呼吸器の障害は、高度の呼吸困難が残存し、「胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として第7級5号に認定されました。

このように、呼吸器に障害を残した場合には、①ないし③の検査を実施することが必要となるなど、後遺障害に該当するか否かを精査するに当たり専門的な知識が必要となります。

当事務所では、事案に応じて、被害者の通院に同行して各検査の実施を依頼するなどのサポートも行っておりますので、後遺障害に該当するかどうか分からない等のご不安のある方がおられましたら、一度、当事務所までご相談下さい。

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

呼吸器の障害について、第7級5号が認定されました。