87 被告は自らに過失はないとして事故の責任を否定していたものの、今後支払額2500万円とする訴訟上の和解が成立した事案
死亡事故 :死亡事故 、80代女性
死亡
被告は自らに過失はないとして事故の責任を否定していたものの、
今後支払額2500万円とする訴訟上の和解が成立した事案です。


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交通事故状況
加害車両が被害者の頭部を轢過し、被害者はお亡くなりになりました。
ご依頼者のご要望
被害者の相続人の方が、加害者に事故の責任を認めさせたい、適切な損害賠償額を受領したいとして、当事務所にご相談に来られました。
受任から解決まで
通常、死亡事故などの重大な交通事故が発生した場合は、刑事手続上、加害者は、起訴され、刑事処分が科せられます。
しかし、本件では、刑事手続上、加害者は、加害者の過失を立証することが困難であるとして、不起訴処分とされていました。
不起訴処分とされると、実況見分調書しか開示されず、加害者の供述調書が開示されないため、事故態様を特定することが難しくなります。
そこで、当事務所では、相続人の方から受任した後、事故現場に赴き、事故現場を検証して衝突地点などを特定した上で、訴訟を提起しました。
訴訟では、下記の通り、双方の主張には大きな隔たりがありましたが、最終的に、加害者が事故の責任を認め、訴訟上の和解が成立しました。
示談交渉
加害者は、事故は加害者の不注意により発生したものではなく、高齢である被害者が転倒した際に加害車両が運悪く被害者を轢過したものであると主張し、事故の責任を否定しました。
そこで、当事務所では、衝突地点や被害者の衣服の損傷状況などから、加害者の不注意により事故が発生したこと、加害者は、自賠法3条が掲げる免責要件を主張・立証していないことなどを主張した結果、最終的に、加害者が事故の責任を認め、今後支払額2500万円とする和解が成立しました。
不起訴処分になった加害者に対する請求
自動車の運転者が交通事故を起こした場合には、①刑事上の責任、②行政上の責任、③民事上の責任を負います。
このうち、保険会社が治療費や慰謝料を支払い、いわゆる示談が問題となるのは、③民事上の責任です。
③民事上の責任では、民法や自動車損害賠償保障法に基づいて、加害者に対して損害賠償を請求することとなります。
さて、本件では、加害者は、加害者の過失を立証することが困難であるとして、①刑事上の責任は問われませんでした。
それでは、このような場合には、加害者に対して、③民事上の責任を問うこともできないのでしょうか。
この点、前述した通り、③民事上の責任は、民法や自動車損害賠償保障法に基づくものですが、両者には大きな違いがあります。
まず、民法の不法行為責任では、過失責任主義と呼ばれる考え方が採用され、加害者に対して責任を追及するに当たっては、加害者に主観的な帰責事由が存在することが必要であるとされており、責任を追及する被害者において、加害者の過失を立証する必要があります。
そのため、加害者の過失を立証することができない場合には、不法行為責任を追及することはできません。
他方で、自動車損害賠償保障法は、被害者の保護を図る観点から、立証責任の転換を図り、無過失責任に近い中間責任を設けました。
すなわち、自動車損害賠償保障法3条は、加害者において、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者または運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと、自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと、という3つの要件を主張・立証しない限り、加害者は、被害者が被った損害を賠償しなければならない旨を規定しました。
従って、加害者は、仮に、①刑事上の責任を問われなかったとしても、自動車損害賠償保障法3条が規定する上記3つの要件を主張・立証しない限り、事故の責任を免れることはできないのです。
「刑事手続では不起訴処分だから、民事手続でも無責任である」とはなりません。
本件では、加害者は、過失を特定することが困難であるとして刑事上の責任は問われず、検察審査会でも不起訴処分が相当であると判断されていました。
しかし、当事務所では、衝突地点や被害者の衣服の損傷状況などから、事故態様を推認し、加害者の不注意により事故が発生したこと、加害者は、自賠法3条が掲げる免責要件を主張・立証していないことなどを主張し、その結果、最終的に、加害者は、事故の責任を認めるに至りました。
当事務所では、本件のほかにも、①刑事上の責任は問われなかったものの、③民事上の責任を追及して損害賠償金を獲得した実績があります。
もし、刑事上の責任が追及されていないなど、加害者に対して責任を追及することができるかどうかご不安のある方がおられましたら、ぜひ一度、当事務所までご相談下さい。


加害者は、刑事手続では不起訴処分となり、民事手続でも事故の責任を否定していたものの、最終的に、事故の責任を認め、和解が成立しました。
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