41 交通事故による頸椎捻挫、約190万円から約390万円に増額して示談した事案
後遺障害等級後遺障害別等級14級9号 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 、40代男性、会社員
神経症状(頸椎捻挫)
当初保険会社提示額約190万円から、最終受取額約390万円に増額し示談した交通事故事案です。
保険会社提示額 | 190 万円 |
増加額 | 200 万円 |
交通事故状況
被害者の方が停車中に追突された交通事故事案です(頚椎捻挫等)。
ご依頼者のご要望
ご相談者の方は、既に第14級9号の後遺障害が認定されており、相手方保険会社との損害賠償交渉を依頼したいとのご相談を受けました。
受任から解決まで
相手方保険会社は、傷害慰謝料を任意保険会社基準で算出して約120万円と主張し、逸失利益と後遺障害慰謝料を合せた「後遺障害」として75万円と主張していました。
当事務所で受任後、傷害慰謝料、逸失利益及び後遺障害慰謝料をそれぞれ裁判基準で算出し、相手方保険会社に請求しました。
【交通事故賠償項目】交通事故における損害とは(損害の全体像)
【交通事故賠償項目】後遺障害逸失利益(後遺症による逸失利益)
示談交渉
賠償交渉の結果、相手方保険会社は、裁判基準での賠償に応じるとしました。
その結果、当事務所の請求が100%認められ、今後支払額(治療費など既に保険会社が立て替えている額を除いた支払額)が約190万円から約390万円に増額しました。
保険会社主張 | 弁護士主張 | 解決額 |
---|---|---|
傷害慰謝料 約120万円 | 傷害慰謝料 約140万円 | 傷害慰謝料 約140万円 |
後遺障害 約75万円 | 逸失利益 約140万円 | 逸失利益 約140万円 |
– | 後遺障害慰謝料 約110万円 | 後遺障害慰謝料 約110万円 |
合計 約190万円 | 合計 約390万円 | 合計 約390万円 |
頚椎捻挫により第14級9号が認定された場合の逸失利益
逸失利益は、基本的に、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算出されます。
そのため、労働能力喪失期間を何年とするかが逸失利益の金額を大きく左右することとなります。
この点、頚椎捻挫により第14級9号の後遺障害が認定された場合には、相手方保険会社が被害者の方に提示する労働能力喪失期間は、2~3年とされることが多いです。
しかし、赤い本は、「むち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多く見られる」としており、弁護士が賠償交渉することで、ほとんどの場合、労働能力喪失期間を5年とすることが可能です。
もし、相手方保険会社から労働能力喪失期間を2~3年と提示されている方がおられましたら、一度、弁護士にご相談されることをお勧め致します。
なお、今回のケースでは、相手方保険会社は、「後遺障害」として75万円を提示していました。
しかし、75万円という金額は、あくまで第14級の自賠責保険金の金額を指すものです。
つまり、相手方保険会社は、後遺障害に関して、自賠責保険金75万円を回収できるため、相手方保険会社自身としては全く損害を負担しないこととなります。
被害者の方が後遺障害を認定された場合には、逸失利益と後遺障害慰謝料を請求することが可能となります。
このうち、逸失利益は、さきほど述べた計算式によって計算されます。
また、後遺障害慰謝料は、等級に応じて裁判基準の金額が定められており、第14級の場合は110万円とされています。
後遺障害慰謝料だけでも、既に自賠責保険金の金額である75万円を上回っています。このように、「後遺障害」として75万円と提示された場合には、逸失利益と後遺障害慰謝料が適切に算出されていない可能性があり、増額できる可能性が高いため、提示内容を今一度確認されることが良いと思います。
弁護士が賠償交渉することにより、受任から解決まで約1ヵ月という短期間で、傷害慰謝料、逸失利益及び後遺障害慰謝料について、裁判基準満額での解決をすることができました。